「右往左往」に右往左往

右往左往

この本は元東大寺の管長、故清水公照さんの旅日記です。
経本作り24ページの絵日記と100ページの随筆集から出来ています。
私が大阪のナニワ印刷にいたときに作りました。

制作依頼を受けたとき、上司に相談したら無理だといわれた。
あきらめの悪い私は、製版・印刷・製本の担当者と二週間にわたって協議。
絵日記は9～11色単独で抜き出し黒だけは２色の13色刷りとする事が決まりましたが、
それだけの多色刷りに耐えられる和紙が無い。
金沢の手漉き和紙で12色刷った話を聞き、早速金沢に行き職人さんと話をして、
一週間後に見本を50枚届けてもらうことになった。

試し刷りを公照さんに見て頂くと、
それまでカラーの４色分解しか見ていなかったので大層喜んで頂き、
画帳の表紙に絵を描きたいと仰った。

急遽、表紙は鹿皮に変更し、四方金で京都で製本することになった。
300冊限定、売価５万円、阪急古書の町の「リーチ書店」での限定販売となった。

出来上がるまでの三ヶ月、トラブルの連続だったが、
305冊を東大寺に持ち込み、公照さんが一日で全ての表紙を書き上げた。
そのスピードとパワーに驚き、次々と湧いてくるイメージに感動を覚えた。
多色刷りの画帳と洒脱な随想が評判を呼び、この本は一ヶ月で完売となった。

その後私の手元に届いたのがこの本、ナンバーは０番、感謝状が添えられていた。
毎年一冊、10冊まで続けたいと書いてあった。

私が広島に帰郷するまでに３冊の０番が手元に残った。
残りの７冊は自腹で購入したが、最後の10冊目が発刊された時、
公照さんから最後の０番が届き、未だに覚えていてくださったのかと感激したのが懐かしい。


諦めない性格はこの頃に作られたのかもしれないなぁ…

タグ：清水公照 随筆 絵日記

コメント 12

苦労しながらも歴史的で価値あるお仕事されていますね。貴重な経験だとおもいます。大事にして下さい。
by 一真 (2008-05-16 08:21) 

おはよーございます♪
訪問・niceありがとうございましたぁ～(^o^)／
by tamaki (2008-05-16 09:01) 

お越し頂き、nice!をありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
by ishikawa (2008-05-16 09:14) 

はじめまして。
ご訪問&niceありがとうございます！
これからもよろしくお願いします。
by な。 (2008-05-16 10:19) 

ご訪問ありがとうございました。
よい話です。相当なかだですね。
by エア (2008-05-16 19:43) 

ご訪問頂き　ありがとうございます<(_ _)>

素敵な想い出なのですね
現物を拝見したいと思っても
一冊が五万・・・・プレミアものでしょう
ドコかの図書館の蔵書に無いか
探してみたいと思います！！

前記事とのギャップもね
ワタシ的にツボかも。。。。笑


by chunta (2008-05-16 20:47) 

こんにちは☆はじめまして。
ご訪問&niceありがとうございます＾＾
これからもよろしくお願いします。
by qoo2qoo (2008-05-16 21:18) 

ご訪問&niceありがとうございます
これからもよろしくお願いします。
by yanasan (2008-05-16 21:36) 

ご訪問ありがとうございました^^
どうぞまた遊びにいらして下さい。
by ちゃるこ (2008-05-17 00:27) 

ご訪問&niceありがとうございます(^^
また気が向きましたら。。。
by ケイクス (2008-05-17 00:53) 

表紙をすべて手書きで！
バイタリティに感服いたしました
負けぬようにがんばりたいと思います§＾。＾§
by 雪渦 (2008-05-17 09:49) 

先日はご訪問いただきありがとうございました！
地道に、熱意を持ってやれば必ず後になにかが残る、を身をもって実践されてて、nice!です(^^)
by しんりゅう (2008-05-17 20:17)